【Nano Banana】”Gemini”と”Google AI Studio”でAI画像生成の精度を体験

AIで人物や元素材の「一貫性」を保ちながら高度な画像生成ができると話題の新しい画像生成モデル「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」。
名前のユニークさからSNSなどで注目を集めているので、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
この記事を見ていただいているということは、
- SNSで見かけるNano Bananaが気になっている
- 画像生成に興味があるが、まだ試せていない
- Nano Bananaで生成した画像はビジネスで使用できるの?
というお悩みや疑問があるのではないでしょうか?
今回この記事では「まだNano Bananaを試していない方向け」に、実際の画像生成結果と使用方法を徹底的にお伝えしていきます。
是非参考にしてください!
Googleの”Nano Banana”とは?
「Nano Banana」は、Googleが開発した画像生成AIモデルで、正式名称は「Gemini 2.5 Flash Image」です。
Googleの対話型生成AIである「Gemini」だけでなく「Google AI Studio」「Adobe Firefly / Express」「Genspark」などすでに様々なAIツールで無料でも試せるようになっています。
「Nano Banana」という名前のユニークさで注目を集めていますが、実際にはスピード重視のモデルで、画像生成や簡単なテキスト処理を初心者でも手軽に体験することができます。

Adobeユーザーの場合、すでにAdobeの”Creative Cloud”を契約している方も多いかと思います。
Pro(コンプリートプラン)を契約していれば、基本的に標準生成は無制限です。
”Nano Banana”はパートナーモデルなので「プレミアム生成」扱いになり、その他のプレミアム生成でクレジット消費をしていなければ、現時点ではほぼ無制限で使用(200回程度)できますが、商用利用については注意が必要です。
Adobe photoshopでも今後「Nano Banana」が追加されます。現在はPhotoshopベータ版での使用だけですが、「生成塗りつぶし」でモデル選択ができるようになっています。(2025.9末時点)
Geminiで実践!”Nano Banana”の特徴を紹介
従来の画像生成AIと比べて「Nano Banana」が注目される理由がいくつかあるので、実践をしながら見ていきましょう!
今回は、「Gemini」アプリを使用しています。
モデルの選択ですが「2.5 Flash」「2.5 Pro」 のどちらのモデルでも「Nano Banana」を使えますが、今回は「2.5 Flash」を使用しています。


人物や元の素材の一貫性を保ちながら生成ができる
冒頭でも触れましたが、「Nano Banana」では一貫性のある画像生成が可能です。
実際にどの程度一貫性を保てるのか、試してみました。



他の画像生成AIでも良い画像は生成されますが、そこからシーンを変えたり部分的な修正をしたりすると、変更したくない元の素材(人物など)が変わってしまうことが多くありました。
まずは、1枚目。
日本語の短い指示分(プロンプト)で勝手に紅葉などの季節に合わせた背景も生成してくれました。




プロンプトは、そのまま入力しても良いですし、上記画像赤枠内の「バナナアイコン+画像」部分をクリックしてからの入力でもOKです。
そして、今回は「隣に男性を座らせる」「場所を室内へ変更」という2つの画像を追加で作成しました。




3枚とも「同じ服装」「同じ人物」での生成が日本語文1行程度でできました。
よく崩れてしまう「指」や「顔の細部」なども、修正なしでも問題なさそうなレベルです。



3枚目の教室へ移動させた時に、
「女性の右目」が少し気になりましたが、ここまでの一貫性を保って生成ができることに驚きです!
「対話型編集」で段階的に画像を修正できる
「Nano Banana」のもう1つの特徴は、最初から完璧な指示分を用意しなくても、会話を繰り返しながら画像修正ができる点です。
ちなみに、今回上記で生成した画像は、どれも日本語の短い指示分だけで生成を繰り返しています。
最初から細かい状況や指定を含んだ「長くて完璧なプロンプト」でなくても、会話を繰り返しながらシーンの変更や画像修正ができました。
今回、最初の生成は「焼き芋をたべる日本人女性」と年齢やシーン(場所や状況など)の指定なしで生成をしました。


その後、下記画像のように「短い対話」でシーンや部分的な変更ができました。







背景を教室へ変更した時、最初は「七輪」が残っていましたが、「七輪は削除」という指示を追加すると、しっかり対応してくれています。
複数画像の合成で新たな画像を生成できる
「Nano Banana」には、2つの画像を1つの画像として調和させ、合成できる機能もあります。
今回は、仮で先程生成した「焼き芋を食べる女性の画像」と「我が家の猫」の写真で合成をしてみました。


写真や画像を追加する場合には、上記画像赤枠内の「+」アイコンから追加します。
その後、先程の生成と同様にプロンプトを入力します。
生成された画像はところどころに紅葉が残っているので、「紅葉を削除」と指示を出し下記のような画像が完成しました。





複数画像の合成写真も少ない工程で仕上がりました!
また、猫の元写真は全体が写ったものではないですが、尻尾などの部分もしっかり補完してくています。
Geminiアプリで生成した画像には、右下にウォーターマーク(Geminiロゴアイコン)が入ります。これは、目に見える形で「AIで生成された画像」だとわかるようにするためです。
さらに、Googleでは「SynthID」という技術で、AIで生成された画像・動画・テキスト・音声などに「デジタル透かし」を自動的に埋め込んでいます。こちらは肉眼では見えず、専用ツールで検出可能です。
どちらも「AI生成物の安全性や信頼性を保つ」ためのものです。
以上、実際に画像生成をしながら「Nano Banana」の特徴を紹介しました。
Geminiアプリでの生成だと、下記のようなメリットがあります。
- 日本語の短文プロンプトでもOKなので、気軽に使いやすい
- 対話形式で段階的な指示ができ、生成の精度も高い
- 無料で使えるので、初心者でも始めやすい
Google AI Studioで”Nano Banana”を使用
「Nano Banana」は「Gemini」アプリ以外のツールでも使用できます。
次は「Google AI Studio」で「Nano Banana」を試してみたいと思います。
「Google AI STUDIO」は、Googleが提供する最新のAI開発環境で、テキスト生成・コード補助・画像生成などを無料で直感的に試すことができるプラットフォームです。
APIキーを取得して利用する場合は、利用量に応じて料金が発生します。
Googleアカウントがあればすぐに利用でき、「Nano Banana」を無料で試すことも可能です。
※無料での使用時は個人情報や機密情報を入力しないように注意しましょう。
”Google AI STUDIO”へアクセス
まずは「Google AI STUDIO」へアクセスしましょう。
下記の流れですぐにアクセスできます。
- Google AI Studioの公式サイトを開く
- 右上の「Get started」をクリック(下記画像参照)
もしくはスクロールして「Sign up and get started」をクリック - 「Googleアカウント」でログイン
- ログイン後「Use Google AI STUDIO」=「Try Gemini」を選択
- 利用規約に同意して、使用開始


出典(2025.9末時点):Google AI Studio



英語なのでわかりにくいかもしれませんが、上記の手順どおり進めていけば問題ないはずです。
”Nano Banana”を選択
ログイン後は、下記画像のようなホーム画面に遷移します。


上記画像赤枠部分をクリックすると、モデルの選択ができます。
今回は「Images」から「Nano Banana」を選択していますが、「All」や「Gemini」からも選択できます。


プロンプトの入力と画像生成
モデルを選択したら、プロンプトを入力していきます。
今回は先に「ChatGPT」で「Google AI STUDIO」用にプロンプトを英語で出力してもらい、それを貼り付けましたが、特に指定があるわけではありません。



「Google AI STUDIO」で「Nano Banana」を使う場合、英語プロンプトが推奨されていますが、日本語の場合も試しておりますので、後程紹介します。
早速プロンプトを入力していきます。
入力後は、下記画像の「Run」ボタンもしくは「Ctrl+Enter」キーを押します。


「Enter」キーで確定させたい場合は、設定から変更できます。
下記画像を参考に、左下の「Settings」からお好みで選択すると良いでしょう。


そして、英語・日本語それぞれのプロンプトを入力して生成した結果です。
今回は、小学生の子どもたちが焼き芋を食べるイラストを作成しました。











雰囲気や色合いは違いますが、「服の色」や「髪型」などプロンプトで指示したところはどちらもしっかり表現されています。
今回、最初に「ChatGPT」に出した指示は下記のみ。
Google AI STUDIOでの画像生成プロンプトを作成してください。
条件:
・小学生(6歳の双子と9歳)の女の子3人
・焼き芋を食べている
・ポップなイラスト
・カラフル
そこから、人物の詳細やテイストを固めていき、最初に生成したのが下記の画像。
背景を変更しても、子どもたちのイラストはそのまま引き継がれています。




ただ、思っていたのとイラストのテイストが違ったので、もう少し指示を加えました。
・顔の雰囲気をもう少し大人びた印象にする
「watercolor / hand-drawn」風の柔らかい雰囲気
指示を加えて仕上がったのが、最初に掲載したイラストです。
日本語のプロンプトでは、子どもたちが立っている部分が他の英語プロンプトとは異なります。







今回は、ある程度プロンプトで指定してから生成・修正し、イラストのテイストも変更しましたが、「人物」と「背景」などの重要な部分は一貫性があります。
ちなみに、Geminiアプリ同様、日本語の短文プロンプトでも今回は問題なく生成できました。
今回は仮生成ですが、条件があればもう少しプロンプトを追加しても良いかもしれません。




”Nano Banana”で生成した画像の商用利用や注意点
今回「Gemini」アプリと「Google AI STUDIO」で「Nano banana」を試してみました。
簡単なテキスト指示で効率的な画像生成ができるので、ビジネスでも使用できるのかどうか気になるところですね。
商用利用なら有料プランが安心
「Nano banana」の商用(商業)利用については、Geminiの公式アカウント(note)で記載されています。
※ 広告利用含む商業利用でNano bananaを利用する場合は、Google Workspace with Gemini もしくは Vertex AI をご利用ください。
引用元:Gemini の Nano Banana で、画像生成をもっと楽しく、自由自在に!|Gemini – Google の AI
「Google AI Studio」では、商用利用についての明確な記載はなく、禁止も許可もされていません。
しかし、無料枠での利用の場合、入力データや生成結果を開発に利用すると記されているため、安全に商用利用をするなら、リスクを避けるためにも有料サービスを選択することになるでしょう。
本無料サービス(Google AI Studio や Gemini API の無料枠など)を使用する場合、 Google は使用者が本サービスに送信したコンテンツと生成された回答を使用し、 Google のプライバシー ポリシーに従って、 Google のプロダクト、サービス、機械学習技術 (Google の企業向けの機能、プロダクト、サービスを含む)の 提供、改良、開発を行います。
引用元:Gemini API 追加利用規約 | Google AI for Developers
冒頭で触れた「Adobe firefly」などのAdobeツールについても「パートナーモデルの出力は自己責任」と記載されています。
パートナーモデルの出力は商用目的で使用しても安全ですか?
アドビは、アドビアプリでパートナーモデルユーザーが使用できるようにする情報へのアクセスを提供していますが、モデルの焦点、トレーニングの方法、商用利用に安全かどうかなどの要因を考慮して、パートナーモデルがプロジェクトに適しているかどうかを判断するのは、作成者の責任です。
使用している特定のモデルに適用されるサービス利用条件については、こちらを参照してください。
引用元:アドビ製品におけるパートナーモデル



結論、クライアント案件などで利用したいなら、有料サービスの利用が必須となるでしょう。
個人的な商用利用案件については、現時点では自己判断・自己責任ということになるのかなと思います。
無料生成時は個人情報の送信に注意
商用利用について名言されていない「Google AI STUDIO」では、「Nano banana」の他にも「Gemini 2.5 Pro」の無料利用が可能です。
また、「Build」機能でのwebアプリケーション制作など、開発自体も無料でも試すことができます。
先程も触れましたが、入力データや生成結果を開発に利用されるという可能性があるので、無料でサービスを利用する場合には、機密情報・個人情報の扱いに注意しましょう。
品質の向上とサービスの改善を目的として、使用者が行った API 入出力に対して、人間のレビュアーが確認、 注記、処理を行う場合があります。このプロセスの一環として、Google は プライバシーを保護するための措置を講じます。措置には、 Google アカウント、API キー、およびクラウド プロジェクトからのデータの切り離しが含まれます。これらは人間のレビュアーによる読み取りや注記の前に 行われます。本無料サービスには、プライベート情報、機密情報、または個人情報を送信 しないでください。
引用元:Gemini API 追加利用規約 | Google AI for Developers
生成画像の著作権に注意する
例えば、生成した画像が他者の著作物と似すぎてしまい、著作権を侵害する恐れがある場合、無料・有料に関わらずその画像の利用が問題になる可能性があります。
著作権については、「Nano banana」だけの問題ではなく、その他ツールで生成した画像でも同様のことが言えます。
- 特定のキャラクターやアニメなど
- ロゴやブランドなどの商標
- 有名人・著名人
などに似た画像が生成されていないかどうかを確認するようにしましょう。
まとめ:無料で試せる”Nano Banana”で画像生成がもっとスムーズに
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回の記事では
- Googleの「Nano banana」とは?
- 「Nano banana」で画像生成(Geminiアプリ/Google AI STUDIO)
- 「Nano banana」の商用利用や注意点
以上、3点について解説させていただきました!
特に重要なポイントは、以下の3つです。
- 「Nano banana」は、素材の一貫性を保ちつつ生成や編集ができるので、画像生成工数の削減に繋がる
- 対話形式で利用できる「Nano banana」は、初心者でも使いやすく無料生成も可能
- 「Nano banana」を商用利用する場合は、有料サービスを利用するのが安全(公式サイト記述有)
AIでの画像生成に興味がある方・なかなか手を出せずにいる方の参考になれば幸いです!
今後もwebに関する運用情報を発信していく予定ですので、是非ご覧ください!
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